空の蒼さと山の碧と
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皆様、長い間本当にありがとうございました。m(_ _)m  (このブログは閉鎖しています。)遊実
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主役3人の演技について
3人とも素晴らしかったです!



(1)チョ・スンウさん
ジキルとハイドを演じたチョ・スンウさんの演技については、本当に驚き、感動し、賛辞を惜しみません。
彼がハイドとして高らかに己の誕生を歌い、ジキルを乗っ取ろうとするさまには非常に恐ろしさを覚えました。
まず素晴らしかったのが歌です。ジキルとして明るく歌うシーンでは清らかに、自信に溢れ、少し持っているエリートのおごりをいやらしくなく見せました。一方ハイドの時は声色からして違い、低く地を這うような声で歌います。素晴らしいと思ったのが、ややかすれたような低めの声の場面でもよく響き、聞き取りやすくて聞いている方にストレスを全く感じさせないことです。それこそが芸術なのではないでしょうか。ただ低い声では聞き取りにくくなったり、感情がうまく乗らなかったりしますが、彼の場合は低くても高くても情感豊かに歌い、ジキルとハイドの感情が観客の体の中に直接入り込みます。ミュージカルのいい点というのは、私はここにあると思います。ただ言葉だけでなく、音楽と踊りを取り入れることによってより情感に訴えることができ、気持ちを直接揺さぶる演技が出来るのではないか、と思います。スンウさんのジキルとハイドはそれをまさに感じさせてくれました。
次に体の動きですが、ジキルの自信と希望に溢れた前半の動き、上品でかつ逡巡している弱さを表した動きと、ハイドの感情むき出しのためらいのない動きの対比が禍々しくも美しく、さらに動き、仕草一つ一つが洗練されていると感じました。
そして動きと言葉・歌の調和がさらに素晴らしかったです。「残念だったシーン」というところでアンバランスさについて少し書きましたが、声がいかに素晴らしくても、歌がいくら美しく感動的でも、その時の動きは印象を左右します。彼の無駄がなく、感情を表現した手の動きや全身の身のこなしによって、彼のソロシーンでは特にどれほど大きく見えたことでしょうか。劇場全体がジキルとハイドの感情に支配されたように感じました。
彼の演技が素晴らしいことは今までの記事でも語ったことがありましたが、今回見て、私は彼について何も分かってなかったと思いました。それくらい衝撃的な舞台であり、私の人生で一生覚えていると確信出来るものでした。
あえて、彼は天才だと思います、と書かせて頂きます。
私の中で彼は別格中の別格です。

(2)キム・ソニョンさん(ルーシー)
スンウさん以外の出演者については全く知らない状態でしたが、彼女の虜になりました。
なんという歌唱力!豊かな声量、ルーシーの悲しさや優しさ、美しさを余すところなく表現した彼女の歌にはただひたすらに圧倒され、いつまでもいつまでも聞いていたい衝動に駆られました。
そして表情が素晴らしかったです。娼婦の醜さと失われていない純粋な心の美しさ、歪んだ愛に翻弄される官能性と愛に生きようとするすがすがしさなど、相反するルーシーの内面を実によく表現していたと思います。ルーシーの強さと弱さ、人生の哀しみを彼女の演技から感じました。
年齢は32歳くらいのようです。お若く見えましたが、さすがに円熟した演技といった貫禄があったと思います。

(3) イ・ヘギョンさん(エマ)
エマとルーシーを演じる上でどちらが難しいかと言えば、私はエマだと思います。どん底の環境で嘆き悲しみ、苦しみの淵から愛を知り生まれ変わるルーシーには劇的な場面が多く、感情表現も多彩になります。一方のエマは上流階級で純粋に育ち、最初から最後までジキルを愛し続けます。親の言うことを聞かずにジキルを信じ続け、愛し続けたところはお嬢様らしくない芯の強さを感じさせますが、一貫して上品で清楚で、突発的な行動に出ないエマは、華やかなルーシーに比べて見せ場も少なく感情表現に幅がありません。そのため、どうしても見ている方はルーシーに注目しがちですが、私はエマとルーシーは均衡が取れているか、もしくはエマの方が目立つくらいがいいと思っています。というのも、結局ジキルが自分を取り戻したのはエマの愛の力によるところが大きいからです。ルーシーはジキルによって愛を知りましたが、ジキルはエマによって愛の深さを知ったのだと思います。
そういう意味では、イ・ヘギョンさんとキム・ソニョンさんの実力差がちょっと残念でした。イ・ヘギョンさんの歌声は、高音部がきれいに響いて聞いていて気持ちがいいのですが、ソニョンさんに比べて声量も感情表現力も劣っていたので、ただでさえ目立たないエマの役柄がルーシーの影に潜みがちでした。さらに、ルーシーとの共演シーンでも、体全体での表現が、エマの上品さからうまく激しい愛を伝えきれず、ルーシーに力負けしていたような印象でした。
とてもよかったのはジキルと愛を語る場面でした。彼女の清らかな愛がよく伝わってきました。
上品で美しい雰囲気を十分に伝えられる方なので、これからもっと力をつけて頑張って欲しいです。
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by yumi-omma | 2006-03-23 11:28 | チョ・スンウ